ABOUT 私たちについて | アーツシード京都

ABOUT US 私たちについて

設立趣旨

VISION

「文化芸術都市」を掲げる京都市では、2016年、ロームシアター京都がリニューアルオープンし、国内外の多様な劇場芸術に市民が触れる機会は大きく増大しました。2010年からスタートした「京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT」も、日本を代表する国際舞台芸術祭に成長しつつあります。 しかし、一見華やかに見える京都の現代舞台芸術は、実のところ、今大きな危機に直面しています。2017年8月末までに、 これまで京都の劇場文化を牽引してきた日本を代表する民間 劇場「アトリエ劇研」(1984年開場)をはじめとして、4つの 民間劇場と1つの公共施設が、ほぼ同時期に、一挙に閉館し てしまうからです【※1】。「小劇場」と呼ばれるこれらの劇場は、「観客動員数」のような定量的評価に還元できない「創造環境」のかけがえのない基盤としての役割を地域文化に対して果たし、劇場文化における数多くのリーダー的な芸術家・舞台技 術者をこれまで輩出してきました。したがって、こうした状 況を放置しておくことは、若い世代の人材流出(専門家)や劇場離れ(観客)を加速させ、最悪の場合、将来における地域の劇場文化の空洞化に直結することになります【※2】。 こうした危機的状況に対処すべく、わたくしどもは現在と未来のアーティストと市民にむけて、新たな非営利型社団法人「一般社団法人アーツシード」を設立し、舞台芸術と劇場施設を中心とした新たな複合文化施設を創設します。

 

【※1】 アトリエ劇研は、1984 年に、仏文学者の波多野 茂彌が自宅を改装し、アートスペース無門館として開館。 1996 年に、アトリエ劇研と改称し、2003 年に NPO 法 人格を取得、現在に至っている。土地建物の所有者であ る館主の高齢にともない、2017 年8 月末日をもって、閉館を予定している。2015 年度は、西陣ファクトリーガー デン・一坪シアタースワンの2 館が、2016 年度には、ス ペースイサン東福寺が、2017 年度はアトリエ劇研・旧立 誠小学校が閉館を予定しており、この3 年間で、4 つの民 間劇場と、1 つの公共施設が閉鎖する。これにより、若いアーティストが安価に利用できるブラックボックス形式 の劇場はこの都市から全て消滅する。いずれも、所有者 の高齢化が主たる原因であり、正に構造的な転換点を迎 えている。


【※2】 劇場閉鎖における問題点として、若い世代を中心とする作品の創作数と場所との需要と供給のバランスが極端に崩れることが挙げられる。多額の利用料が必要なロームシアター京都や、利用に一定の活動実績が問われ る京都芸術センターのみでは、京都の舞台芸術における「創造環境」を支えることは極めて困難である。加えて京都芸術センターの共催枠が削減され、さらに上演が困 難な状況がある。アトリエ劇研を含む、5つの民間劇場・公共施設の閉鎖と京都芸術センターの上演共催事業の削減によって以下の問題が生じる。

(1)およそ150 演目の上演の機会を失う (2)およそのべ30000人の観劇の機会が失われる (3)舞台芸術を支える作家・演出家・俳優・技術者の育成場を失う (4) アーティスト・技術者の人材及び作品の他府県への流出が想定される (5)創造環境の循環性を失い、ロームシアター・京都芸術センター、その他市内の劇場で上演できる人材が、この都市から育たなくなる可能性が高い (6) アトリエ劇研においては、空間の設備的側面のみならず、 保守・技術・広報・創作上の各種のサポート・及び主催事業 の計画と実行を低予算で実現してきたノウハウが失われることも、また大きな損失を予測される。 もって、「芸術文化都市」をかかげる京都において、現代舞台芸術の分野での貢献の可能性が極端に低下する可能性がある。

主催者挨拶

GREETINGS
あごうさとし
あごうさとし - 一般社団法人アーツシード京都 代表理事

あごうさとし

一般社団法人アーツシード京都 代表理事

小劇場の危機-Black Boxの消滅-

文化芸術の華やかにみえる京都ですが、今、舞台芸術の創造環境は危機を迎えようとしています。2015年から2017年にかけて5つの小劇場が閉鎖いたします。所有者の高齢化や建物の老朽化などが主な原因で、構造的な転換点を迎えております。とりわけ、若い人でも低料金で利用でき、かつ、黒い箱形のブラックボックスと呼ばれる劇場形式は、芸術 文化都市をかかげる京都から完全に消滅してしまいます。

100 年の劇場をつくる

100年の劇場をつくる-現在の危機的な状況を受けて、私たちはそのような目標をもつようになりました。芸術や文化は、一朝一夕では実を結びません。継続されるその100年の歳月の中からは多くの人材が育ち、それらの人の手によって、時に世界的な評価を得るような歴史的な芸術作品が生み出されていくものと思います。市民の皆様にも、アーティストにも長く愛され、誇りに思っていただけるような劇場をなんとしても作りたいという思いでいっぱいです。

劇場という広場

「Theatre E9 Kyoto」では、レジデンス機能を持たせ、じっくりと作品がつくりこめるように環境を整えて参ります。劇場での上演の他、2 階のギャラリーでは、現代アート・メディ アアート作品が創作・発表されます。1階には、カフェも併設することで、1年を通じて市民とアーティストが集える「広場」にしたいと考えています。

芸術の種をまき、古都を彩る花を育む

2017年 3月、京都市より「京都駅東南部エリア活性化方針」と題して、東九条地域を「若者」と「アートの実践」によって、活性化させる方針が打ちだされました。地域の方々とも交流を密にして、人口減少傾向にある東九条地域の活性化に貢献して参ります。 私たちが植えようとしている、芸術の小さな種が、時を経てやがて、悠久の古都を彩る花となればと願っています。

ご支援とご協力のお願い

日本の舞台芸術においては、全国各地の民間の小劇場がその底辺を支えています。いず れも極めて公共的で、非営利の事業です。小劇場の建設を支援する公的な制度は、残念ながら存在しません。私たちだけでは解決しがたく、広く市民の皆様からの寄付が頼りです。皆様におかれましては、どうか私どものプロジェクトの趣旨にご理解を賜りたく、ご 支援とご協力の程、切にお願いを申し上げます。

茂山あきら
茂山あきら - 一般社団法人アーツシード京都 理事

茂山あきら

一般社団法人アーツシード京都 理事

 紫陽花の頃紫陽花の頃、皆様におかれましては、皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は私たちの活動に一方ならぬご協力を賜り、心よりお御礼申し上げます。
 さて、お聞き及びの事と存じますが、京都に若者たちの舞台活動を上演する場所がなくなろうとしています。公的な場所としては市民会館や各公民館、大学施設などがあるのですが、いずれも使用のための制限が有り、又使用料が高価であったりします。つまり若い人たちが自由に使うには難しいのが現状です。これまで、アトリエ劇研などのブラックボックスと言われる入場者が100人前後の小屋が有ったのですが、これが相次いで閉館されます。そこで今回、老婆心ながら私たちは新しい若者のための劇場を建設いたす事を思い立ちました。
 古典の役者である私が、なぜこのような劇場を建設いたすのかと思われるお方もいられるでしょうが、京都は古くから文化を育んできた土地柄です。我々の古典の分野では、ほぼ全てのジャンルが京都には存在いたします。このような街は、東京と京都しか有りません。芸術が豊かな土地柄と言えるでしょう。その芸術を長年にわたり伝え得た理由は、底辺の広さです。京都には多くの大学が有り、そこでは若者の演劇やダンスなどの舞台上演が今も盛んに行われています。  舞台活動を行なっている人々は他都市から来られた人が多数おられます。無論、演劇やダンスなどの活動の初心者である彼らの上演作品は稚拙なものもあります。しかし、彼らの行なっている事はこれからの京都を支える大きな力とも言えます。ふたたび京都の文化を再生し、京都発信の文化を作る原動力となるのではないでしょうか。
 古いものを守るには、新しい活動が必要です。新しい活動が古いものを守り、そしてその新しいものが、また古典となっていくのです。京都が永く文化都市であり得たのも、この悠久の積み重ねが有ったからです。
 幸いこの度の新劇場の建設には、御厨先生 株式会社八清社長、西村様他多数の皆様のご賛同を得ることが出来ました。
 しかし新しい劇場を作るには多額の資金が必要です。何卒皆様には京都の文化を守るための浄財にご協力を賜わるよう伏してお願い申し上げます。

設立メンバー

MEMBER
あごうさとし
あごうさとし - 一般社団法人アーツシード京都 代表理事

あごうさとし / 劇作家・演出家・アトリエ劇研ディレクター

一般社団法人アーツシード京都 代表理事

プロフィール

1976年12月16日生まれ。80年代 後半から90年代にかけて香港で過ごす。同志社大学法学部卒業。「複製技術の演劇」を主題にデジ タルデバイスや特殊メイクを使用した演劇作品を制作する。2014 年9月、アトリエ劇研ディレクター に就 任 。2 0 1 4 – 2 0 1 5 年 、文化庁新進芸術家海外研修制度研修員として、3ヶ月間、パリのジュヌヴィリエ国立演劇センターにおいて、 演出・芸術監督研修を受ける。京都国際舞台芸術祭2016 SPRINGにおいて、ショーケースキュレーターを務める。神戸芸術工科大学・ 京都造形芸術大学非常勤講師。若手演出家コンクール2007最優秀賞受賞。2010年度京都市芸術文化特別制度奨励者 利賀演劇人コンクール2012奨励賞受賞。2013- 2014公益財団 セ ゾ ン 文化財団 ジュニア・フェロー

茂山あきら
茂山あきら - 一般社団法人アーツシード京都 理事

茂山あきら / 狂言師

一般社団法人アーツシード京都 理事

プロフィール

1952年6月12日生まれ。本名・晃。二世茂山千之丞の長男。父および祖父三世茂山千作に師事。3歳のとき『以呂波』のシテで初舞台を踏む。1975年『三番三』および『釣狐』、1994年『花子』を披く。 2001年より狂言と新作落語のコラボレーション<落言(らくげん) の会「お米とお豆腐」を結成し、全 国津々浦々で活動中。その他オペラや新劇、パフォーマンスなどの企画・構成・演出なども手がけるマルチな舞台人間として日本中を飛び回っている。また、千之丞のパ イオニア精神を受け継ぎ、1981 年に欧米の現代劇と日本の古典芸 能を融合した「NOHO(能法)劇団」をジョナ・サルズと共に主宰。ベ ケットの不条理演劇、英語による 海外公演も数多くこなし、国境も言葉もジャンルも飛び越えたワー ルドワイドな演劇活動を展開して いる。著書に「京都の罠」(KK ベス トセラーズ)がある。 第31回京都府文化賞功労賞受賞。

關 秀哉
關 秀哉 - 一般社団法人アーツシード京都 理事

關 秀哉 / 株式会社リュウ代表取締役社長

一般社団法人アーツシード京都 理事

プロフィール

1953年 長崎県長崎市生まれ 立命館大学在学中の70年代前半からさまざまなジャルの舞台公演に関わる。以来いろんな国々で日本人アーティストの海外公演に舞台監督,照明家として同行。海外招聘アーティストの日本公演のテクニカルディレクターの経験多数。また、京都芸術センター主催の伝統芸能の新しい試みの継ぐこと伝えること」シリーズの舞台監督も永く勤める。現在 茂山狂言の茂山あきら、茂山童司をかかえる狂言プロダクション「童司カンパニー」の代表取締役も兼務。

やなぎみわ
やなぎみわ - 一般社団法人アーツシード京都 理事

やなぎみわ / 現代美術作家・演出家・京都造形芸術大学教授

一般社団法人アーツシード京都 理事

プロフィール

神戸生まれ。1990年代後半より写真作品を発表。国内外での個展多数。2009年ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館代表。2011年から本格的に演劇活動をはじめ、美術館や劇場等で上演を重ねる。横浜では、KAATとの共同演劇プロジェクトとして2011年に『1924 海戦』、2013年に『ゼロ・アワー東京ローズ最後のテープ』を演出し、2015年には北米5都市を巡回。2014年に今回の舞台として使用するステージとレーラーを横浜トリエンナーレで発表。昨年日本4都市を巡回。京都造形芸術大学教授。

蔭山陽太
蔭山陽太 - 一般社団法人アーツシード京都 理事

蔭山陽太

一般社団法人アーツシード京都 理事

浜村修司
浜村修司 - 一般社団法人アーツシード京都 理事

浜村修司 / 舞台監督・アトリエ劇研スタッフルーム代表

一般社団法人アーツシード京都 理事

プロフィール

静岡県伊豆の国市出身。2000年より小劇場を中心に、主に演劇、コンテンポラリーダンスの舞台監督として活動。あごうさとし、村川拓也、トリコA、壁ノ花団、きたまり、dracom、山下残などを担当。現アトリエ劇研スタッフルーム代表兼技術監督。