したため
#7 “擬娩”

分断に取り囲まれたわたしたちに残された手立ては、想像力の再起動だ。

 

京都を拠点に活動する演劇ユニット・したためは、太田省吾、多和田葉子、テレサ・ハッキョン・チャなど言語の可能性を探求する作家たちのテクストを逐語的に接写するような作品、また、日々の暮らしのささやかな記憶を思い出すこと/思い出しそこなうことをめぐる作品を制作してきました。

そのしたためが新たに出会ったモチーフは、妻の出産前後にその夫が妊娠にまつわる行為を模倣する「擬娩(ぎべん)」。この奇妙な、そしてあまりに演劇的な習俗は、さまざまな分断に取り囲まれた今のわたしたちにこそ必要な想像力に違いありません。

したためが現代に再起動する「擬娩」に、どうぞお立ち会いください。

 

 


 

わたしは妊娠したことがありません。したことがないので、できるのかもわかりません。わたしは妊娠にあこがれているのかもしれないし、妊娠を恐れているのかもしれない。真剣に考えることをのらくら避けてきた末に焦りにがんじがらめになってしまって、しかしその時ひらめいたのが、妊娠と出産のリハーサルでした。妊娠したことがない人間が妊娠をリハーサルするなら、女だけじゃなくて男も一緒にリハーサルしてみよう。そんなことを考えていたら、「擬娩」という人類学の用語に行き着きました。妊娠を演じるというアイデアは、人類の古くからの知恵だった! 驚くと同時に腑に落ちました。妊娠を演じることは、わたしひとりが考えていたりもはるかに人間に必要で、そしてそれはまさしく今なのだと。

したため 和田ながら

 

 

「擬娩」とは

これらの習俗は、子供の父が、子供の出産当時あるいはその以前又は産後のある期間、自分の床につき、節食に服して、しかも、その妻ではなくて、彼が分娩の苦痛を受けているかのごとく、一般に振舞うべき事を必要としている。その完全な形態においては、擬娩を遵奉する夫は、自分の床について、産褥にいるふうをし、時には、うめいたり、顔をしかめたりすることによって、分娩の諸々の苦痛を真似ることさえし、また時には、その妻の衣類を着ることさえある。

『擬娩の習俗』(著:ワーレン・アール・ドーソン/訳:中西定雄/1929年)より

 

公演日時

12月6日(金)19:30
12月7日(土)14:00*1 / 19:00*2
12月8日(日)14:00*3 / 19:00*4
12月9日(月)14:00*5
※受付開始は開演の30分前

 

ポスト・パフォーマンス・トーク ゲスト

*1 櫻井拓(編集者)
*2 林葵衣(美術家/本作舞台美術担当)
*3 弓井茉那(BEBERICA代表、俳優)
*4 本作出演者

*5「感想シェア会」

作品を見て感じたこと・考えたことを、同じ作品を観た人同士でシェアしてみる試みです。詳細は京都舞台芸術協会WEBサイトをご覧ください。http://kyoto-pa.org/
主催|NPO法人京都舞台芸術協会

 

 

チケット

[自由席/日時指定/税込]
一般前売 2,700円
25歳以下前売 2,000円
高校生以下 1,000円
*当日券はいずれも+500円
*25歳以下チケット・高校生以下チケットの方は当日の受付にて証明できるものをご提示ください。

チケット購入はこちら

 

チケット取扱
▽THEATRE E9 KYOTO
▽したためWEBフォーム
https://www.quartet-online.net/ticket/7_giben_kyoto

 

お問い合わせ

したため
mail. info.shitatame@gmail.com
web. http://shitatame.blogspot.jp/
tel. 050-5318-7717

 

 

演出|和田ながら

美術|林葵衣

出演|岸本昌也 増田美佳 松田早穂(dracom) 三田村啓示

照明|吉田一弥

音響|甲田徹、林実菜

舞台監督|北方こだち

制作|渡邉裕史(ソノノチ)

京都公演制作協力|田中直樹(劇団ひととせ)

 

京都芸術センター制作支援事業

助成|京都府文化力チャレンジ補助事業(京都公演)

主催|したため

 


 

したため

京都を拠点に活動する演出家・和田ながらのユニット。日常的な視力では見逃し続けてしまう厖大な細部を言葉と身体で接写する、あるいはとらえそこないつまづくさまを連ねるように作品を制作する。

 

和田ながら わだ・ながら

1987年生まれ。演出家。京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。さまざまなテクストに接近し、逐語的な精読から作品を立ち上げる。美術家や写真家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞。2018年、こまばアゴラ演出家コンクール観客賞受賞。

 

林葵衣 はやし・あおい

1988年生まれ。美術家。京都造形芸術大学大学院修士課程修了。身体と意識のズレの可視化をコンセプトに、反復によるずれ、色彩の残像、音声の保存をテーマにした作品を制作してきた。自分のものではないようにもどかしく思う見えない身体のふるまいと対話し、目に見える形を与え、提示している。

 

岸本昌也 きしもと・まさや

1987年滋賀県生まれ。神楽舞をきっかけに舞台に立つようになる。京都造形芸術大学卒業、座・高円寺劇場創造アカデミー修了。現在は関西と東京を行き来し、俳優とグラフィックデザイナーとして活動中。これまでに地点、エイチエムピー・シアターカンパニーなどに出演。

 

増田美佳 ますだ・みか

ダンサー/ゴーストライター。1983年京都生まれ。これまでに演劇、ダンス問わずさまざまな舞台作品に出演。近年は架空の詩人・文筆家 嵯峨実果子のゴーストライターとしても活動。『ミことば』で平成27年度第33回世田谷文学賞 詩部門受賞。京都市立芸術大学非常勤講師。

 

松田早穂 まつだ・さほ

兵庫県出身。俳優。大阪を拠点とする公演芸術集団dracomメンバー。京都大学文学部卒業。2008年よりベビー・ピーに参加、人形劇や野外テント作品等に出演。衣装と仮面も製作。他、兵庫県立ピッコロ劇団、B.LET’S、dracom等の作品に出演。

 

三田村啓示 みたむら・けいじ

主に大阪を中心に活動。2005年より空の驛舎に所属する傍ら、ジャンルを問わず外部出演も多数。並行して近年では舞台芸術の創作・受容環境にまつわる様々な活動にも取り組んでいる。2018年より大阪アーツカウンシル・アーツマネージャー。第18回関西現代演劇俳優賞受賞。

 

 

※ご予約に関するご注意
・開演5分前までに受付をお済ませください。それ以降はキャンセル扱いになる場合がございます。お早めにご来場ください。
・公演中止などの不測の場合をのぞき、チケット購入後の返金、日時の変更はできません。
・E9には駐車場はございません、公共交通機関でご来場ください。周辺道路への駐車は、ご近所のご迷惑となりますので硬くお断りします。

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